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-side 渡-
秋の始め。本日は晴天。うん、洗濯物がよく乾く。俺が干しているわけじゃないけど。
…なーんか忘れてる。なんだろ?
そのうち思い出すか。今日はなにするかなー。
神国に勝手に入ったらロロに怒られるし、王国に行っても怒られる。幻魔法を使っても、気配を探知するのが上手い奴は気付く。城の書庫には碌な本無かったし、あの司書は自慢話始めるから行きたくない。
結論、のんびりするか。
「ぼくーのなーまえはヤン「マー」あれ?続かなくなったぞ?」
何が起きたんだ!?
「歌っている暇があるなら家事の手伝いをしてください。」
ああ、ミカエルか。メルトは元気にトンボに追いかけられている。頑張れー。あ、魔法使った。
ズンッ
「おぅふ。」
メルトの突進。効いたぜ。
「…っ!―ッ!!」
「トンボくらい平気だろ。」
声にならない叫びで必死に訴えるメルト。
「ほら、もう追いかけて来てないぞ。」
「…!…ふぅ。」
恐る恐る振り返るメルト。心配は杞憂に終わったようだ。
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