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そんなわけで街道。
「誰も歩いてないね。」
「そうだな。」
普段は人々が賑わいを見せているのに、今日は人がまったくいない。商店の戸口は閉まっている。この町がこれほどまでに閑散としているのは見たことがない。
「本当に散歩になりそうだな。」
「仕様が無いよ。明日には魔族が攻めてくるんだもん。たぶん家族と一緒にいたいんだよ。」
ナディはいいのか。
「あ、さっきも言ったけど、私は家にいたくなかったから気にしなくていいからね。」
考えたことがばれています。
「心配ばっかりしなくても大丈夫だよ。私って結構強いから。」
人のいない街道を見ながら言うナディ。
「心配なんて…してるかもな。」
「だから、明日は何も心配しなくて大丈夫。メルトちゃんも私が見てる。」
あ、やべ。忘れてた。ミカエルに帰ってもらわなきゃ魔力が回復しない。
「メルトのこと頼むわ。」
「うん。ずっと家で待ってる。」
明日は何時に帰ってこられるかわからないからな。
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