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「ン!?」
私の服が切られて上半身は下着姿にされる。
「よし、次は下だな。」
「ンー!!ングッ!!」
「いってぇ!!」
思い切り噛んでやった。
「ワタル、助けて!!」
「このクソアマッ!!」
「やだぁ!!」
バキッ!
「うぅ…。」
右頬を殴られて、また口を塞がれたせいで呻き声しか出ない。
「他に男がいるみたいだな。」
「らしいな。ホントに大切にされてんのかよ。」
ああ、次は違う男がナイフで私の服を裂こうとしている。今度は目に怒りを蓄えて。
「あー、クソ。イッテェ…。見てみろよ、この歯の痕。血が出てるぜ。」
「お前は親切すぎるんだろ。」
噛まれていない男が笑いながらもう一人に言う。
「そうかぁ…。そうだよなぁ!!」
「ンー!!」
また拳を振り上げる男。今度は目に怒りを蓄えて。たぶん、これ以上抵抗が出来ないようにだと思う。私はまた殴られるのだろうか?
この状況を冷静に見ている自分がいる。いや、この状況だけじゃない。さっきからだ。
大丈夫。冷静になんて簡単になれるよ。だって…。
「おい、てめぇ。自分が何してるのかわかってんのか?」
空間から伸びる腕。その後ろで怒りに燃える茶色の瞳。いつだって貴方は私を助けてくれるもの。
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