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「お前達は明日から戦争が始まると言うのに何をしている?」
ナディを腕に抱きながら言う渡。二人組は礼拝堂の中央で渡を警戒している。
「ハッ!戦争なんて勇者や兵隊どもにまかせておけばいいんだよ!!」
「…そうか。」
先程よりもキレている渡。静かな声の裏には明確な殺気。彼の周囲には白く輝く波のようなものが見える。
「なんだよ…それ…。お前何なんだよ!?」
渡を見て怯える男達。一人は怯えた声を出すが、もう一人は声さえ出ていない。渡の周囲で輝くのは視認できるほど高濃度の魔力。
「俺か?俺はこの人の旦那さ。結婚はまだだけどな。」
男達から目を離さずに言う渡。その双眸は憤怒に燃える。
「お前達には罪がある。」
「う、うわぁぁぁぁあああ!!」
「え!?お、俺も!!」
渡の声に一人が出口まで駆けだし、もう一人がすぐ後を追う。だが、彼らを逃がすほど渡は甘くはない。
「どこに行くのかな?」
戸を大きく開け、人のいない街道に飛び出した二人の目の前には渡。街道で仁王立ちをしている。
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