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「妾は何をすればいい?」
「おいおい、いいのか?あんたの手下達は納得していないみたいだぞ?」
次に話しかけたのは魔王。
「おぬしには命を助けられた。気にするでない。」
「悪いな。前線で戦わせるのは気が引けるが、四の五の言ってられない。俺が合図するまであの巨人を足止めしていてくれ。」
「承知した。」
また一人巨人の許へ向かう。
「よし、やるか。」
大勢いる魔族を無視して次の行動に出る渡。
「白き陽は闇を貫き 黒き陽は光を食い破る 」
詠唱を始める頃、魔族たちはキョロキョロと辺りを見渡し、ぞろぞろと人族の軍の近くへ行き、巨人に魔法を撃ち始める。それを横目で見ていた渡。詠唱は続ける。
巨人の頭上には黒い太陽と白い太陽のような魔力の塊。
「光は闇を撃ち砕き 闇は光を呑みこむ 」
魔剣が渡に気付き攻撃を仕掛けようとするが、魔法の弾幕と三人によって妨害されている。魔力を体力に吸収する巨人はさらに大きくなる。
二つの太陽は徐々に近づく。
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