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今日、あなたが戦争に行った。
絶対に生きて帰って来てくれるとは信じてる。
でも心配は消えない。
嫌な予感が、消えない。
あなたが家を出てからしばらくして、東の空が光った。
メルトちゃんが泣きながら私にね、お父さん、まだ帰らないの?
って。空が光ったのを見て不安になったんだと思う。
答えようがないから、その場は有耶無耶にしちゃった。
そしたらね、しばらくしてサリーちゃんに連れられたお姉ちゃんとマスターが来たんだ。
あなたが戦場を止めたって。お礼が言いたいって。
それを聞いて体が冷えているのがわかったんだ。
戦争が終わっているなら、なんであなたは帰ってこないの?
みんなが帰って、夜になって、あなたが帰ってくるまで起きてるって言うメルトちゃんを寝かしつけた。そしたらね、陛下とあなたのお友達が二人と、昔あなたが助けた女の人が来たんだ。
全部聞いた。聖剣の事も、あなたがみんなを庇って爆発に巻き込まれたことも、一人でも死なないように一人で走り回っていた事も。
みんなが口を揃えてあなたが死んだって言うんだよ。酷いよね。あなたは帰ってくる。絶対。私はまだ、おかえりって言ってないもの。
だから私は、あなたが帰ってくるまで日記を書こうと思います。
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