エピローグ

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「今の世代は温いな。俺に一発も当てられないとは。」 「渡さん。自分がチートだってこと忘れてません?」 やれやれと言った感じで呆れている男に事実の確認をする金髪。 「あー、普段セーブしてると忘れるんだよ。」 「ただいま…!」 「おー、おかえり。」 緑の髪に尖った耳の小柄な女性。走ってきたのか、髪は乱れ、肩で呼吸をしている。戸を強く開け放ち、彼女なりの大きな声で帰宅を伝える。彼女に返事をするのはこの家の主。 「あれ?なんで今日は全員集合してるの?」 次女が疑問を提示する。 「あら、忘れたの?」 と、桃色の髪の女性。 「今日は…お父さんが帰って来た日…。」 いつもの調子に戻った長女は次女に理由を伝える。 「さぁ、みんな、今日も一日ごくろうさん。少し早いが飯にしようか。」 主から簡単な挨拶。それを合図に、この家族は料理を台所から運び、一家団欒を迎える。 今日は一刻戦争と呼ばれた戦争の終戦日からちょうど15年と半年経った日。新緑の季節。 一組の夫婦を体現するかの如く、外は新緑と桜で彩られていた。
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