7月の空

出会い

それでも最初はみんな珍しがって寄ってきた｡しかししばらく経つと会話もろくに成立しない外国人が面倒くさくなったのだろう｡皆はなれていった｡

もちろんこちらが何か尋ねれば教えてくれたり言葉も返してくれる｡しかしそれ以上は関わらず友達の方に行ってしまった｡

一番嫌だったのは体育の授業｡ダンスやテニス、ヨガなどしょっちゅうペアを組んで活動するのだが、皆私と組もうとはしなかった｡それなので人数が奇数だと必ず私が余った｡体育の授業になるたびに憂鬱になり、今日は偶数ですように、とクラスの人数を数えていた覚えがある｡

そんな状況がしばらくつづいたが、2ヶ月も経つとそれなりに友達もできてさらに1年が経つ頃には授業の内容も理解出来るようになった｡

そうして今、高校3年目｡ここに来てから４年｡もう言語において苦労することはなくなった｡
アメリカの高校は4年間あるのであと２年ある｡

外を見るとよく晴れていた｡いっそのこと雨でも降っていたらこのカールもおちたのに｡

筆を動かす｡すると線からはみ出てしまった｡この絵、1ヶ月前から描いてたのに｡今日はついていない｡

嫌になって筆をほうり出した｡

伸びをする｡まあ次の時間に修正すればいいだろう｡

「ちょっと、どうしたの｡やだ、はみ出てるじゃん｡」