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「行ってきます!」 「いってらっしゃい。気をつけてね!」 お母さんに見送られ、いつも通り家を出る。 外に出ると澄み切った青空が出迎えてくれた。 あんなに雪が降り積もっていた冬とは打って変わって、近くの木には桜が咲いている。 この桜を見る度、春が来たんだと感じる。 そんな僕も今年で5年生になった。 そしていつものように真代家のインターホンを鳴らす。 『はい?』 そこに出たのは祐希ちゃん達のお母さんだった。 「あの、祐希ちゃん達いますか?」 そういうと玄関からお母さんが顔を出す。 「あら、ごめんなさいね~。祐と祐希は一緒に行けないの。だから1人で行ってくれるかしら?」 申し訳なさそうに話すママさん。 学校に遅刻しても行けないので、渋々頷いた。 「あ‥、わかりました。」 どうして一緒に行けないのだろうか? そんな疑問を抱きながら通学路を一人歩く。 その疑問の答えがわかるのは、数日後のことであった。
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