迷いながら

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それから数週間後・・・・ 私は純に似た男と、ファーストフード店に居た。 「で、夜の仕事やる気になってくれたの?」 そういって微笑む彼は、やはり純に似ている。 「はい、私でも働けるなら。」 私はアルバイトをしたことがない。 そんな私が務まるのか不安だし、雇ってもらえるのかもまた不安だった。 「大丈夫、何やるたい?飲み屋?風俗?お金はどれくらい欲しい?」 私はお金に困ったことがない。 親が全面的にバックアップしてくれていたし、普段タバコや本を買うこと以外にあまりお金を使わなかったのでお金そのものにあまり興味はなかった。 「お金は・・・どれくらい欲しいのかとか今考えていません。ただ・・・・」 私はこの先言っていいのかわからなかったが思い切って言ってみた。 「私、人付き合いが苦手です。それでも出来ますか?できれば従業員同士のやりとりはあまりしたくありません。」 私がアルバイトをしてこなかった理由は、お金に困ってなかったのもあるが、余計な人付き合いでのストレスに耐えられる気がしなかった。 今考えれば、イジメにあっていたことや純の死を盾に、私はかなり甘えグセもついていたんだろう。 「うーん、なら風俗は?個室だしお客さん以外とはあまり会わないよ。もしくはデリヘル。それなら自宅で待機するし、移動は従業員の車だしいいとおもうよ。」 デリヘルかー。 夜の世界自体、小説やテレビの世界でしか聞いたことがないのでなにがなんだサッパリだった。 でも、自宅で待機ができるのが魅力で、私はそのデリヘルとかいう職業をしてみようと思った。 どんな仕事でどんな接客かも大して知らずに。 「はい・・・・デリヘル・・・・やります。」 純に似た男はすごく驚いていた。 後から聞いたら、「お金にも困ってないのに飲み屋を通り越してデリヘル選んだからビックリしたよw」とのことだった。 そんなこんなで、簡単にデリヘルで働くことに決めた。 次は、そのお店に面接だ。
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