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今日も、旦那は仕事で午前様。
独りと一匹(犬)で待つ、この一軒家。
こうやって一人のときは、リビングに飾られた絵を見て考え事をする。
果たして、私はなんのために生まれたのか。
なぜ旦那と結婚したのか。
なぜ旦那は私を愛してくれたのか。
気づくと涙が出ている。
余命宣告を受けたとき、私は自分の母親と病院に行った。
そんなに大きな病気だと思わなかったのが理由だ。
そして、旦那は経営者故に仕事で遠くにいたのだ。
いつか、旦那に言わなくてはと思ったが、言っていない。
私が普通に生活出来てるうちは言うつもりもない。
母親にも口止めをしている。
大勢の人は
「旦那にそんな大事な話をしないなんてどうかしている」
と思うことだろう。
しかし。
これは私の最後のわがままだ。
病院でしか生活できなくなる時がくるまで、私は今までと普通に生活したいのだ。
だれよりも優しく、だれよりも愛していてくれる旦那にだからこそ、真実は隠し続けるつもりだ。
きっと、最後のわがままで、最後の隠し事だから、旦那も許してくれるはずだ。
・・・・と思っている。
このようなこと、命が関わっていることに、正解も不正解もないはずで、
だから私が旦那に伝えないといった選択肢も、
きっと間違いではないであろう。
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