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「入学おめでとうございます。この大学は・・・・・」
私は大学生になっていた。
純を亡くしてから、ただただなんとなく過ごしていたが、両親の強い希望で大学に進学することになった。
当の本人は、なんとなく過ごしていた高校生活の後半で、成績を落とし、三流大学と呼ばれる場所にしか行けなかったが。
大学生活を送るにあたり、私は一人暮らしをはじめた。
両親に仕送りもしてもらっていたので、一人暮らしでも生活に困ることはなかった。
中学の自殺未遂から、両親は私がすることに文句は言わないし、お金だけは沢山くれる。
お互いに接し方がわからないのだ。実家も離れてしまったから、ますます家族との接し方を見失っていた。
そんな私はただただ、なんとなく大学に進学することになり、いつのまにか一人暮らしをするアパートが見つかり、今日は入学式。
両親は田舎からわざわざ来てくれた。
そして入学を喜んでくれた。
けど。
やはり私は、純を亡くしてから、また光を失っていた。
18歳。
私はもうすぐ、純が死んだ年齢になり、そのうちに純よりも年上になってしまうだろう。
なぜかそれが怖かった。
なぜか、暗闇を歩いてる気がしていた。
純、私、大学生になったよ。
きっと、純が生きていたら喜んでくれてたよね。
でも、私、今、よくわかんないんだ。貴方が居なくなってから、いつの間にか時間だけが経って、いつの間にか大学生になってただけなんだから。
これからどうしようかなー・・・漠然とこれだけはいつも思う。
何をどうすればいいかもいいのかもわからないのに、なんとなくだが、いつもこれからどうするべきなのか考えていた。
私は、何がしたいのかな・・・?
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