迷いながら

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「お姉さん、これからどこ行くのー?」 夜の繁華街を歩けば、キャッチに絡まれ道を阻まれる。 そんな繁華街を歩く。 入学式が終わってからというもの、大学は私にはあまりにもつまらないものだった。 決まったメンツのクラスというものは無く、授業によってメンツが変わる。 だから気楽だし、友達も居なくたって平気だ。 とりあえず勉強だって、出席していればなんとかなるような大学だ。 私は入学早々、大学生活に飽きてしまっていた。 だからなのか、夜になると不思議とこの繁華街に出てきてしまう。 特に用事はない。 ただただ、この街にいる人を見ていると落ち着いた。 酔っぱらい・ホスト・キャバ嬢・若者の喧嘩。 私から見れば、みんな羨ましかった。 なんで、みんな必死そうなんだろう。 楽しそうだなー・・・ そんなことを思いながら、ただただ繁華街をぶらぶらする。 まるで夢遊病患者のように。 そして、歩き疲れたら、いつものファーストフード店に入る。 高校のときも、よく純とファーストフード店に行ったなー・・・。 でも、あのときとは違うね。 ここの街には純は居ないし、私は大学に入ってからタバコを吸うようになったから、喫煙席だ。 あの頃・・・・ 純がいたあの頃は、禁煙席で、 タバコ何か吸わなくても精神が安定していた。 そして全てがキラキラして見えていた。 今は、タバコが精神安定剤みたいなものだし、煙草の煙が邪魔するように、私の視界は曇っている。 18歳。 私も・・・・ なんか生きがいでも見つけないとなぁ・・・・ 私はタバコの煙を胸いっぱいに吸い込みながら、そして吐き出しながら漠然と考えた。
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