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私が純に似た、その彼を目で追っていた。
いや、目が離せなくなったのだ。
「お姉さん、俺そんなカッコイイ?w」
そして私の向かいの席に座った。
突然のことに私は手に持った、灰皿もコーヒーのカップも落としてしまった。
「ああ!!すみません・・・」
必死に灰皿から落ちたタバコを手で拾う。
気持ちを落ち着けために、タバコの吸殻を数えながら・・・
純・・・じゃないよね。
そうだよね。
死んじゃったもんね。
そう思いながら全部片付けたところで、純にソックリな彼に頭を下げた。
「すみませ「「お姉さん、夜の世界に興味はない?」」
私は無言でまた席に着いた。
まるで、どっかの携帯小説のようだな・・・と思いながら現実を受け入れられなかった。
純に似た男性を見つけて、目で追っていたら、夜の世界に勧誘されて。
携帯小説だったら、きっと、この先もっと苦労してボロボロになるんだよねー・・・・
夜の世界ってそういうところなんだよね、きっと。
こんなことを思っていた。
「お姉さんみたいな子、お客さんは喜ぶし、とりあえずやってみない?もし、やる気あるならこの名刺に連絡して。」
そして、彼は私が言葉を発する前に一気に話して名刺を渡して、席を立った。
「はい・・・考えておきます。」
純、きっと純なら止めるね。
だから彼は純じゃない。
わかってるんだ。
だから、この名刺は捨てるべき。
わかってる。
わかってる。
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