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親父は華蓮が、すっかり朽木さんに気に入られていると知るなり娘の彼氏にするみたいな説教を垂れた。決して華蓮を泣かせてくれるなと。 「坊っちゃん、旦那さんを止めてよ。」 「バーカ。ああなった親父が止まるかよ♪お前を心配していってるんだ。有り難く娘をしてろよ。」 有り難い御高説に、朽木さんも神妙な表情で聞き入っている。大したことを言ってないんだけど。 翌日、親父は華蓮を朽木さんに託して帰らせた。俺的にも色々な意味で好都合だ。 「華蓮、頼むな?」 「他人の者に手を出したら、どんな目に遭っても、文句なんか言えないわよね♪」 忘れていたけど華蓮は、根っからのいじめっこ体質だ。夏目といえども、無事で済む筈がない。 みんなを見送り俺と加奈子は、やっと三日遅れの水入らずのハネムーンを楽しんだ。 このあとの一悶着は、またの機会に話すとしよう。 .
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