01

15/20
前へ
/24ページ
次へ
時計の針は思ったより早く進み、私の緊張状態もMAXに達してきた。 「美月、大丈夫?」 私の緊張がばれたのか千春が小声で聞いてきた。 「たぶん……」 そう聞かれるとますます緊張が高まる。 どうしよ…… 「今、どうしよ~とか思ってない?」 ばれてる! 「ははっ、顔に出てるよ。がんばれ!」 千春は小さくグーを作り、肩に軽くパンチをしてきた。 私もなんとかその場は笑って誤魔化した。 「工藤、そろそろいくぞ」 「は、はい!!」 編集長に言われ、私は慌てて筆記用具等を持ち立ち上がった。 始めての担当、始めての打ち合わせ。何かの間違いだったとしても、もしできるのならば私にはとてつもないチャンスに違いない。 気を引き締めて、一つ小さく深呼吸をした。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加