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「お、おぃ、工藤」
編集長は私の顔を見て慌てた様に肩を揺らした。
「へ、編集長……知ってました」
「は?工藤大丈夫か?」
そぅ、その名刺を差し出してくれた人こそ、清水春紀で、昨日私が失態を晒してしまった人……
こんな、偶然なシチュエーションありきたりなドラマみたいな、現実じゃ有り得ない話し。
「あ、あの、色々言いたい事が……あの、その、すいません……あの、ありがとうございます」
しどろもどろになりながらも、自分の名刺を受け取ると、一枚取り出し差し出した。
「いや、昨日頂いたではないですか。ちゃんとここにありますよ」
昨日は見せなかった優しい笑顔で私の名刺をちらつかせた。
もう、何を言いたいのか、何を言えばいいのかわからない。
清水春紀が昨日の人で、昨日の人が清水春紀で、え~と、え~と……
クッ、と笑い声がして清水先生を見る。
「いや、失礼しました。あまりにも驚いている様だったので」
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