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それから三人での打ち合わせは着々と進み、私が喋る暇もなく話しは進んでいった。 「では、また後日先生の所に工藤がお邪魔すると思いますので、よろしくお願いします」 話しが終わると同じに私も一緒に頭を下げる。 「あ、あの」 「どうしました?」 「あ、いぇ……不手際なとこもあるかもしれませんが、よろしくお願いします」 清水先生は優しく笑った。 その笑顔を見て、なぜか少し不安な気持ちが和らいだ。 本当は聞きたい事も言いたい事も山ほどある。 けれど頭の中で上手く整理が出来ずに、結局何も言えないまま初めての打ち合わせは終わりを迎えた。 もちろん、清水先生が帰ってから編集長に注意されたのは言うまでもなかった。 私に、本当に担当なんて務まるのだろうか…… 昨日の清水先生と今日の清水先生は全くもって別人みたいだった。
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