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気がつくと朝になっていた。 寝たような…… 寝てないような…… 妙な緊張感のせいで私の体は睡眠を受け付けてはくれなかったみたいだ。 今日上手くいけばきっと夜はゆっくり眠れるはずだ。 私はいつもより30分早く会社に向かった。 会社に着くと、早いだけあってまだ数人しか来ていなかったが、なぜか編集長が出社してきていた。 「おはようございます」 「お、工藤。ずいぶん気合い入ってるみたいだな」 私の出勤を待っていたかのように朝から爽やかなスマイルを見せてくる編集長は、今日の空と同じ様な清々しさを感じさせた。 「編集長こそ、今日は早いですね」 一方の私は寝不足と緊張でぐったりとした表情に違いない。 「若い奴がなんて顔してる。もっとフレッシュにいかないと!」 フレッシュって……編集長、あなたも十分若いし、フレッシュですよ。
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