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恐る恐る後ろを振り返ると、見知らぬ男性が私を見下ろす様に立っていた。
「えっ……あのっ」
ビックリして立ち上がると、慣れないお酒のせいか視界が揺れた。
「あぶなっ……」
言葉と同時に私は勢いよく引っ張られた。
「すっ、すいません」
捕まれた腕を振り払い、頭を下げる。
頭に血が昇った様に顔に熱が集中する。
「やけ酒もいいけど、女一人でこんな時間に外で一人酒は止めた方がいいと思うけど。この公園、痴漢出るみたいだし」
その言葉にさーっと血の気が引き、自分の軽率さに目眩がした。
田舎では別に大した事のない行動も、都会ではタブーな事が沢山あるのだ。
「あ、そっ……そうですね。ははっ、すいません」
私は飲みかけの缶と袋を持ち、逃げるようにその場から立ち去ろうとした……が、急激に酔いが回ったらしく、そのまま崩れ落ちるように地面に倒れ込んだ。
「あんた……大丈夫かよ」
クラクラする頭を上げると目の前には先程の男性の顔があった。
シャープな輪郭に二重の目が際立っていて、とても綺麗な顔立ちをしている。
それに、私は男性に対する免疫が少ない為か、一気に頭に血が昇ったかと思うとそのまま意識を手放した。
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