01

8/20
前へ
/24ページ
次へ
翌日、昨日の事に少し後悔をしながら会社へと向かう。 助けてくれた人の名前も聞かなければ、まともにお礼すら言えてなかった事に家に帰ってから気づいた。 きっとかなり失礼な奴だと思われたに違いない。 ほんと、つくづく自分のダメさに気分が落ち込んでくる。 出社すると、何やら事務所が騒がしかった。 「あ、美月おはよ!」 同期入社の千春が私の元へ駆け寄ってきた。 千春は私よりも要領がよく、仕事もできる。 同期入社は私を含めて3人で、何かあるたびに私と千春は比べられていた。 「おはよ。何かあったの?」 「そうなの。聞いて驚いて!」 意気揚々と千春は私に話し出す。 こうゆう時の千春の話は、ほとんど大した事のない話が多い。 「なんと、あの清水春紀が、うちの雑誌で連載小説を書いてくれるらしいの」 「へ~、……ってまじ!?」 それは驚いて!と言うよね。だって、あの清水春紀が……
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加