654人が本棚に入れています
本棚に追加
/273ページ
「おや、これはまずそうですね」
言葉の割に表情は険しくなり、初めてロキが身構えた。
すると、零の身体の光に呼応するように天空に雷が走る。
ゴロゴロとい音が耳に入ると、ロキは天空を見上げた。
いつしか漆黒の天空には、雷雲が生み出されており、そこには黄金の雷が無数に走っていた。
「なんと高密度な魔力で作られた雷…。あんなものを受けるわけにはいきませんね」
そう呟いた瞬間、ロキの頭上に巨大な赤い光で描かれた魔法陣が展開された。
それはまるで雷雨から身を守る傘のように。
『それで受け止めようってか!?上等じゃねぇか!!』
「落ちろ!!雷の鉄槌!!」
轟!!!!!!!
零が叫んだ瞬間、天空の雷雨から無数の雷で束になって生まれた一筋の雷が真っ直ぐロキめがけて振り落とされた。
ドォォォォォォォン!!!!
だが、その雷はロキの赤い魔法陣によって防がれる。
「なっ!」
「ぐっ!!」
しかし、余裕の防衛ではなかった。
両手で支えるように腕を上げているロキの表情は苦痛にゆがんでいた。
かろうじて支えている。
零から見ても分かる程、ロキの表情は苦痛にゆがんでいたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!