天空の竜王

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『身体能力強化なんてのは天王の力じゃねぇぞ。それくらいなら魔術師にだって出来んだ』 (じゃぁ、この雷がお前の力か?) 『間違っちゃいねぇが、それはあくまでも俺の力の一部を使ってるにすぎねぇ』 (じゃぁお前のフルパワーで戦えば) 『まぁこの街は消えるからおすすめはしねぇがな。それに、天王の顕現は術者にやべぇほど負担かかるらしいからな。まぁお前と俺の適合率はかなりのもんだから、不可能じゃねぇと思うけどな』 (適合率?相性みたいなもんか?) 『そんな感じだ。誇っていいんだぜ?天王とここまで相性が合う存在なんざ、地球上に数人いればいい方だからな』 地球規模の適合率と言われると、さすがの零ですら規模の違いを認識せざるを得ない。 何故自分にこれほどの力があるのか。 いや、何故自分がこれほどの力を得れたのか。 非常に気になることではあるが、今は目の前の男をぶっ飛ばすことだけを考えろ。 思考を無理矢理敵意に変えた零は、再びロキを睨み付けた。 「いい反応ですね。ですが、天王の力とやらはまだ見せていただけないんでしょうかねぇ」 『いちいちうるせぇ奴だな。おい、零。ちっとばかしビビらせてやれ』 バハムートが頭の中で舌打ちした瞬間、零の頭の中にある技が出てきた。 バハムートの知識が零の中に入り込んでいる瞬間だ。 「おっけぇ、この一撃でぶっ潰してやるよ」 ニヤリと笑みを浮かべる零。 その瞬間、零の周りを走っていた雷光が一層強く輝く。 その輝きは零の全身に及び、いつしか零の全身が黄金の光を放っていた。
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