序章

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「なぁ綾、蓮、今日も行くんだろ?」 この二人、今綾に話し掛けている背が高くがたいのいい方は内藤秀二。いつもヘラヘラしてふざけてるようにも見えるが、根は凄くいい奴で綾が困っていると必ず助けてくれる。 「ま、僕達に勝てるような人が来ているとは思えないけどね」 そしてこっちの長髪は林蓮。ジャニーズ顔負けのルックスに成績優秀スポーツ万能、おまけに真面目な性格で女子からの人気が凄まじい。だが、本人はそれを気にしておらず、綾と秀二の付き合いの方が楽しいらしく、女子と付き合うような事はしない。 この三人は高校入学以来いつも三人で行動している。知り合いが誰もいない高校に進学した綾が最初に気の合った人物だ。 「あぁ、早く行こうぜ!今日も早くファイトしたくてウズウズしてたんだ!」 「好きだねぇ、お前も」 「二回目…」 綾達の高校からバスで15分程進んだ場所にカードショップマジシャンズという妙な名前の店がある。そこは綾達が毎日のように行っている店で、10階建てのビルには毎日学校帰りの学生から子供、社会人、ニートまで何百人もの人間がカードファイトを繰り広げている。店の設備は最高でカードの品揃えもいい、俗に言う超大型店舗だ。
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