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少女は自分の無力さを噛み締める。
「おい、蓮、あれって」
「うん、間違いない。恵比須グループの社長の息子、総得だよ」
「あぁ、各地で幾多の悪行を繰り広げていると専らの噂だ。やって来た事は恵比須グループが揉み消しているらしい。」
「「秀二、いつの間に…」」
「」
気付けば店からは客はほとんど消えていた。恵比須が戻って来た時、自分も被害に遭うかもしれないからだろう。
「うぅ…僕のカード…お母さんが買ってくれた僕のカード…」
「…」
未だに地に伏して泣いている少年を見て綾は思う。
やっぱりそうだ。
力のある者が力のない者に権力を振りかざす。
いつだって、どこでだって人間はそんなものだ。
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