日常

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もとは、喫茶店の方に小さな空間があって、昼過ぎから子供達がそこへ集まって遊ぶようになり、子供好きのクレア嬢が、その子達にお菓子とかをあげていたらしいのだが…… ますます子供が集まるようになり、託児所みたいになってしまった。 すると、それを聞いたナウスが会議室を開放するように提案し、ボロアさんが許可。 それが今この空間である。 そいで、今度は神父様がそれを聞き、信者の来ない時間帯はシスターに任せ、この部屋を訪れては、子供達に聖書を読み聞かせたり、簡単な読み書きや算学といった教養を教え出した。 勿論、善意で。 何の特にもならないのに、よくやる。 それを知ったナウスが、今度は神父様とクレア嬢と相談して、本格的に遊びと学びの場として機能し始めた。 というのが事の全貌である。 先生役はナウスと神父様が交代で行い、 子供達のお菓子代はナウスの小遣いから出ているらしい。 なんでも、街の子供達にも教養を身に付けさせたかったんだと。 なんというか……まあ、凄いボランティアで成り立っている学校だ。 流石に小学校とまではいかないが。 ……子供達は好き嫌いの差こそあれ、勉強出来る事が嬉しいらしい。 ……そもそも、二人の授業時間も短いので、もっぱら遊び場感覚だが。 親達はと言うと、教養の必要性はどうあれ、授業料を払う必要もなく、子供の世話に煩わされる負担も減るので、好意的だ。 ……とまあ、そういう訳で、俺もここの教師役……のような扱いになっている。 暇を持て余してた時に、子供達相手に一人劇をやってたのがなし崩し的に。 まあ、程度も小学校低学年レベル……というか、この世界の一般レベル自体低いので、万年赤点の俺でも教えられる。 むしろ、小学校では100点以外取った事無かったし。 現代人の底辺知識レベルでも、この世界からすれば、充分すぎる程の優等生だ。 ここじゃあ、黒騎士さんは、強く優しくとっても頭がいい事になっている。 世界を渡れば一躍勝ち組である。 正直、笑いが止まらない。
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