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  何故だかわからないが、警備員は一人としていなかった。 守衛室があるとわかっていたが、結局彼らは一度も出てくる事はなく、ただ現在得体の知れない集団に邪魔されている真っ最中なのも事実。 だが、戸惑う待機組に説明できなかったのには、訳がある。 理由は単純。 一体どこの誰だかわからなかったからだ。 制服など着ていない。 寧ろそれより遥かにタチが悪い。 取り囲んだ十名ほどの男達は皆揃いも揃って腰パンに金髪、銀髪、メッシュにロン毛。 報道特集でモザイクをかけられる中高生を実写で見ているような、そんな雰囲気。 画廊という場に全くそぐわない上に、彼らが何故ここにいて三人の仕事を邪魔しようとしているのか、全くわからない。 「別に理由とかいいけどさ、なーんか場違いな気がするんだけど。君ら、何?」 ナイフやスタンガン、それにナックル。 思い思い彼ら流の武器を手に、問いには答えずじりじりと間を詰める。 「うるっせえ!」 倒れ込むように突き出されたナイフをひょいと避け、無防備な首の後ろに陽はかかとから蹴りを落とし込む。  
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