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  「……あ、もしもし、愛凛さん?栞です。今終わりました。もう、お電話ちゃんと出てくださいねっていつもあれだけ──」 機材が積まれたせいで異様に狭い車に四人で乗り込んだ車の中、助手席では栞が終了報告の電話をかけていた。 気疲れしたのか、肩を上げ下げしながら少し眠そうに運転しる征士。 特に狭い後部座席には、自分の領地をとられまいと押し合いをする陽と詩葉。 結城と真騎は別の車で後ろを走っている。 「ええ、ええ。わかりました。では、今から戻ります。……あ、愛凛さんちょっと待って下さい、陽が代わりたいって」 電話が終わる気配を察したのか、座席の中央からにゅっと伸びた手が代わってくれと催促していた。 その手の主に携帯電話を渡すと、「もっしー?」と漏れる、相手側の高い軽い言葉。 陽も早口で話し出す。 「あ、もしもし愛凛さん?あのさ、この絵の後ろにさ、なんか変な袋がいっぱいついてたんだけど。……あ、そうなの?わかった。あーごめん征士、行き先変更。戻る前にいっぺん東京湾出て。詩葉、真騎達にも伝えて」 「はあ?」 「何なの?」  
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