Blue Velvet

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  真騎の口撃を交わそうと開きかけた口を、横から早雪がスッとさえぎり手帳を読み上げる。 「ちょちょちょ早雪さん!?どこでその予定聞いたの!?」 予期せぬ事態にあわてて早雪の手帳に手を伸ばすが、時既に遅し。 すらすらと読み上げられる再来週のお楽しみの詳細を、男性四人は一言も聞き逃すまいと目を輝かせる。 抜け駆けを狙っていたはずのワンマン社長は、ガックリと肩を落とした。 しかし面白くなさそうなのは、女性陣二名。 「ねえちょっと!それじゃ、私たちはスッチーの為にタダで働けって?」 「しぃちゃんとことちゃんはぁ、あたしとビュッフェ付きのロイヤルスイートの女子会プラン、はしごするぅ?ミコちゃんに軍資金と車出してもらってさー」 「わぁ、そうしましょう!愛凛さんの見つけたトコ、はずれないですもんね!」 「でしょ?あ、そうだ。あたしこないだ青山と広尾でケーキが美味しいこ見つけたんだぁ」 「あ、青山ならこの間可愛いパスタ屋見つけて……」 一気に顔が明るくなり、きゃっきゃとはしゃぎだす女性陣。 頭を抱え、更に青くなる尊を、早雪は鼻で笑った。  
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