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「グ、リナ…?」
「はよ言え…はやく!!」
「たっ…確か、おまじないとか占いをするって」
言い終えると老婆は曲げていた腰を簡単に真っ直ぐにした。
「まぁいいか…」
「グリナ?」
ぼそりと呟いたその声は明らかに老婆のしわがれ声ではなかった。
「廃れた魔族の末裔でも、ないよりはマシだ」
「グリナ…声が」
聞こえてきたのは少女の可愛らしい声で、記憶が途切れたあの日に聞いていたものと全く同じだった。
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