ハコノナカ

12/14
前へ
/15ページ
次へ
「…やっぱり、君も」 気付いていた。あの日グリナだって死肉とやらを僕と一緒に食べたのだから、彼女がここで生きているはずがない。 魔女でないかぎり。 「君も魔女なんだね」 「ほんとに相も変わらずお間抜けさんね」 間抜けだと笑う老婆はいつの間にか、皺がなくなり、髪も生え、少女の姿に戻っていた。 「…君は僕を探しにここに来たの?」 「さぁ?」 少女はくるりと黒いローブを翻し、並べられている棺桶の上に座った。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加