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「言ったじゃない?息子を探してるって」
「…息子」
「私たちが世間上殺された今でも、魔女狩りは行われているの。私の息子も捕まってね。探しに来たんだけど、こんなに棺桶があったんじゃキリがないもの」
少女はコンコンと棺の蓋を叩くと僕の目の前に立ちふさがった。
「っ!?」
「でも、あなたがいたからいいわ」
三日月型に弧を描いた唇は、みるみるうちに歪んでいく。
「あ…うわぁぁ!!」
少女でも老婆でもないその顔は、様々な人の顔に変わる。
あまりの恐怖に僕は床へと倒れ込んだ。
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