神の心臓

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“リュケイオン”は現在、初期タイプをより実戦向きに再設計した二世代タイプが主な戦力として配備されている。 この二世代タイプと初期タイプでは、性能の差はあまりにも歴然としている。 RK200ーブリザード…… これが第9独立部隊だけに配備されていないのだ。  ちなみに“リュケイオン”の祖となった機体、“騎神”は全6機である。 “騎神”のパイロットを“操者”と呼び、特殊な儀式を通じてはじめて“操者”となれるのだが…… その後、“騎神”自身がその者を認めるか否かで左右されてしまう。 ―――騎神には意思がある――― “操者”に選ばれた人間は、まさに神の心臓と化す。 いくら性能が向上しようが、“リュケイオン”は“騎神”のデッドコピーに過ぎないのだ。 「まぁ使いようによるよな♪テンペストだって悪くはないんだぜぇ?」 第9独立部隊副隊長として、最初から配属された男である。 名は“イグニス・ダン”。 階級は上級大尉。 特になにも問題は起こしていないのだが、クジ運の悪さでここへ来た。
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