第1章

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暗闇に見える一筋の光。 クスクス聞こえる可愛らしい笑い声。 そこは、小さい頃よく遊んでいたいつもの公園。 『もぉーいーかい?』 遠くから聞こえる幼い子供の声。 その声に、蘇りそうになる過去の淡く薄れた記憶。 『まーだだよー。』 キャハハと笑いながら逃げ惑う2人の子供。 その近くの木の下で、顔を隠している1人の男の子。 届きそうで届かない。 手を伸ばそうとしても掴めない、過ぎ去った日の遠い光景。 そして、闇の中へ消えていった思い出。 なぜだろう。 あの時、なぜ私は答えなかったんだろう。 『もう、いいよ。』と。 .
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