1人が本棚に入れています
本棚に追加
長い長い道に全速力で走っている足は悲鳴をあげはじめた。
しばし足を緩め、歩く。
傍らにキャッキャとはしゃぐ煩い下級生を横目にみてから、その前を歩く一際暗い背中を見つけた。
アイツは…
「なーぎとッ!!」
突然背中からデカイ声と強い痛みを感じて振り返った。
「痛ぇよ!!」
にんまりと笑う坊主頭。
親友の牧 武琉(マキ タケル)。
武力に物言わすお茶目さんだ。
コイツの馬鹿力には俺だってお手上げだ。
「何見てたんだ?」
あっ、アイツは、
前を向いて確認するが、アイツはもうそこに居なかった。
あぁ、楽しめると思ったのに。
しょうがなく俺は両手を広げさぁ?みたいな表情で武琉をみた。
.
最初のコメントを投稿しよう!