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「…本当に俺を覚えていないのか?」
「覚えてるも何も…」
こんな格好の人、一目みたら忘れられない。でも私が見たのは今が初めてなのだ。
「……」
「……」
「……」
「…っ、あ…のー」
「何?」
「復讐って具体的に何を……こ、殺しちゃったり…したり…」
「んな事はしねぇ」
即否定に私は内心ほっとした。
「え…じゃあ一体どんな復讐を…」
「それは……これだ」
といってひょいっと丸々とした大きなスイカを目の前に出した。
「す…いか?」
しかし何故スイカ。
「これを丸々一個俺の前で食え。あぁさすがに皮は固いからそこだけは省いてやる。中身を丸々全部食え。そうしたら今までの事は許してやる」
「む…無理だよ」
首を激しく振る。
「は?なんで。これは食っていたくせにスイカはくえねぇのかよ」
びしっ、とさされたのはさっきまで食べていたメロン。あと一口な所満腹で止まっていた。
「これは食えてスイカは食えねぇのかよ」
「いやいやメロンももう食べれないよ。これ以上食べたらお腹破裂しちゃう」
「破裂していいから食えよ」
「ひど!?」
「いいかれ食・え・よ!」
「い・や・だ!」
ぐぐぐとスイカをこっちに押し付けてくる。小さい躯で必死に押し返すが子供に容赦ないコスプレお兄さんは容赦なく押し付けてくる。
「食えよ!」
「無理~」
「あらあら、強引はいけませんわよ」
「!」
「この声は…」
第三者の声にぴたりとスイカを押し付ける力をとめるとコスプレお兄さんはふるふると震え、声のする方向に睨み付けた。
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