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「こんこん、失礼しますわ」
ガラガラガラ
お兄さんと同じ所から入ってきた。上品に失礼しますといってるけど入っていいなんて一言もいってない。それでもこのお兄さんよりはまだかしこかった。
「なんでてめぇもいるんだよ」
そしてどうやら知り合いのようだった。
「あらあら私がここにいたらまずいんですの?私だってここに用があってきましたのに」
「は?つかどうやってきたんだ」
「あなたと同じ。でも私はあなたのようなご近所に迷惑かけるような置き方はしなくてよ。ちゃんと屋根の上に固定させておきました。ふふ…私って操縦も上手いんですよ」
「ご託宣はいい。で、何しにきたんだよ」
「うふふ…血の気の多い男だ事。ここにきたのは愛しのモカちゃんに会う為ですわ」
「え、私!」
「えぇ、だって私の“婚約者”じゃありませんの。将来を誓い合った」
「え…えぇええなんですとぉお!?」
婚約者…将来を誓い合った……それって結婚する相手という事だよね。
「で、でも女だよ…お姉さんも」
「ふふふ…安心して。私の“星”では同性婚は認められていますの。むしろ偏見などなく、皆受け入れて下さいますわ」
「なぁんだ。じゃあ安心……じゃないっ!」
「あら、何か問題ありますの?」
「ありまくりだよ!だってまだ結婚できる歳じゃないし」
「私の“星”では歳など関係なく結婚できますわ」
「ででででも」
「モカちゃんは…私と結婚したくありませんの?」
悲しそうな顔をするお姉さんに胸がぐさっと痛んだ。
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