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「ほぉら“モカ”、畑でとれたスイカだよ。塩をかけて食べな」
「うわーい、スイカスイカ!」
モカ、それが私の名前です。
幼稚園のみんなからは変な名前とか厨二?みたいな名前とかよく言われます。
確かに自分でも変な名前と思う。でも嫌いじゃない。なんかモカときくと大人な響きがするからだ。
なんだかリッチなブルジョアになった気分?
飲めもしないコンビニにある自分と同じ名前のモカを買っては苦い思いをする私だけど、今日はモカよりも甘くて美味しいスイカが沢山食べられる。
でも食べ過ぎてお腹壊しちゃ嫌だから最低でも3つは食べたいと思います。
「おいひぃ~。おいひぃよおばあちゃん」
「ほっほっほ、食べながら喋ったらお行儀悪いとお母さんにおこられるよ。スイカは逃げはしないからゆっくり食べなさい」
「うん!」
私はスイカが好き。
種が邪魔だけど飲み込めばいいし。ママにはよく注意されるけど、別に躯に害はないのになんで飲んじゃ駄目なんだろう。
だからママがいる前は飲み込まず、種で足元にいる蟻に向かって種を飛ばします。
蟻さんに命中すると蟻さん飛びます。
でもたまにこっちに向かってきた時は反逆か!と思うけど。
田舎は何もないからこうしてない脳みそで色んな自分だけの遊びを考えているのです。意外にもはまるのです。
「…私スイカあればもういらないよおばあちゃん」
「ほっほっほ。ならスイカと結婚するかい?そうすればずっと一緒だよ」
「うん!する!」
「よくないわよ」
横から呆れた顔をしたママがこっちに顔をのぞかせてきた。
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