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小学校に入って一年過ぎました。モカは二年生。少しお姉さんになりました。
「おいひぃ…甘くてジューシー」
私はメロンを夢中に食べていた。
横でテレビをみていたママが苦笑いをしている。
「まったく。スイカと結婚するとかいってたあなたはどこにいったの。メロンを口にしてからメロンメロン。たまにはスイカも食べてあげなきゃ可哀相でしょ?」
「ん~…でもメロンでお腹一杯になるから…」
「それはメロン食べ過ぎなのよ」
「でもでもメロンのが好きなんだよ。私結婚するならメロンがいい」
「あなたね…」
呆れるママ。でも無理もない。メロンに目覚めてからはスイカには一切手つけてない。田舎のおばあちゃんからスイカとメロンを毎年夏に貰うのだけど数はどちらかというとスイカのが多い。メロンの方が取れる数が少ないのかわからないけど。
だからメロンはすぐなくなる。スイカは余る。だけど結局殆どのスイカは近所の人の手に渡る。さすがにママとパパで全て食べきれないのだ。
私は私でメロンの甘さと食べやすさにスイカには手が出せなかったりする。スイカは食べにくい。メロンに出会ってからはその食べやすさに自然とスイカに手を伸ばす事はやめてしまった。
嫌いではない。好きだった。でもそんなに食べたいとは思わなくなってしまった。
これが飽きというものだろうか。
「……むしゃむしゃ」
生ハムにメロンで今度食べたいな…
スイカの事を打ち消すように、何故かそんな事を考えていた。
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