君が好きだから

入学式

俺は声がした方に反射的に振り向いた。

そこには声の主、藍川愛美が俺を見つめてたっていた。

一体俺に何の用だろうか俺は気になって、藍川に問い掛ける。

「俺に何か用か？」

さっきの修哉の事もあり俺は多少苛立ちを隠せない言動で、藍川に向かい話しかけた。

俺の言動に驚いたのか
藍川は一瞬ﾋﾞｸｯと震えたが、直ぐに落ち着きを取り戻したみたいだ。

澄んだ瞳で真っ直ぐと俺を見つめながら彼女は言葉を発した

「雅野君！一緒に帰って欲しいんだけど…ﾀﾞﾒ……かな?」

俺は不覚にも可愛く見えてしまった、それにこんな頼まれ方をしたら……断れるわけがない。

「分かった、一緒に帰ろう」

俺が返事をした瞬間、藍川は、満面の笑みを浮かべて俺に寄ってきた。

その笑顔にドキッとしたのは内緒にしておく。

少しした沈黙が流れるがすぐに俺が破った。

「じゃあ…帰るか？」

「うん!!帰ろっか雅野君!!」

俺は不本意だが藍川と下校をすることになった。