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私は今、雅野君と二人で下校をしている。
でも雅野君、ずっと空をみていて私を全然見てくれない……
話も出来ないし、これだとせっかく二人で帰れてるのに、何だか寂しい。
でも、話したい。
雅野君から話しかけてくれないなら、私から話しかけるしかない!!
私の中で何かがはじけた。
「雅野君!」
私は名前を呼んだと同時に、雅野君の手を握った。
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学校を出て、俺と藍川は歩いている。
時間的にはまだ朝だが、俺にはとても長く感じた。
俺はいろんなことを考えながら空を見て歩いている、朝と同じだ。
違うと言えば…藍川さんが隣で歩いてること。
何も話しかけてこないから、気は楽だ、ただそれなら最初から一人で帰ればいいと思ったが
俺……薄情だな。
今日のことを思い返しながら俺はただ歩いていた、願わくばこのまま帰れるのを望むだけだ。
だが、その望みは一瞬にして叶わぬものとなった。
突然、隣にいた藍川が俺の手を握り締めてきたからだ。
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