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藍川と分かれた後俺は自宅に向かって歩いていた。
ふとさっきの手の感触を思い出す。
「暖かかったな……」
俺は自然とそう口にしていた。
藍川家から歩いて5分やっと我が家についた。
時刻は午後1時を示している
「ただいま」
俺は返事が返ってこないのを分かっていながら ただいまと口にした。
俺の家族は数年前の大火事で他界した、俺は友達の家に居たから助かったんだが知らせを聞いた時は泣きまくったよ。
弟は遺体もなかったみたいだ……それ程酷かったのかあるいは助かったのか……
生きていることを祈ってはいるが、希望は薄い
考えても始まらない。
俺は仏壇に行き、いつも通り線香を3本立てた。
「母さん、父さん、皇子、俺元気にやってるよ。だから心配しないでくれ!!」
父と母そして弟はきっとどこかで俺を見てくれている、だからこそ俺は恥じない生き方をしなくちゃな。
俺が今住んでる家は
一軒家だ、両親の遺産のおかげで俺は暫くは生活に支障はなく生きていける、学校にも通えるしな感謝しなくちゃ。
そんなことを考えていたら携帯が震えた。
どうやらメールが来たみたいだ。
件名:また明日っ!
内容:今日は楽しかったよ!!ねぇ雅野君良かったら毎日一緒に登下校しようよ~♪
それじゃっまた明日♪ おやすみなさい(_ _).oO
P・S
今度私の家に招待するね♪
パタン。
俺は返信をせずに携帯を閉じて夢の世界に落ちていった。
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