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少しの沈黙の後、姉は静かに頷いてくれた。
良かった…。
お姉ちゃんに隆之さんを認めてられてた。
泣きそうになってると、姉が渡したいモノがあると行ってリビングを出て行った。
何も考えずにソファに座っていると、姉が何かを手に戻ってきた。
黙ってテーブルに置かれたモノに目をやれば、印鑑と私名義の通帳。
「お前のだから、持っていきなさい」
お姉ちゃんに言われ、恐る恐る通帳に手を伸ばし、中の数字を確認する。
鳥肌が立つ程の数字が並んでいた。
「お姉ちゃん、これっ!?」
驚きすぎて、声が上擦っているが気にしない。
すると、姉は私が家に入れていたお金をずっと預金していたのだと説明してくれた。
私は色々な感情がない交ぜになってしまい、ソファから腰を上げる。
姉の隣へ行くと、無言で抱きついた。
「お姉ちゃん…ごめ……ありがとう…」
この家を、お姉ちゃん達を置いていく事になってごめんなさい…。
結婚を認めてくれてありがとう。
言葉に出来ずに、全て涙になる。
そんな私に、姉は優しく頭をなでて「幸せになりな」って言ってくれたんだ。
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