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「この人痴漢です!!」
そのとき彼女は俺より先男の手を掴み高らかに天へと掲げた。
おお、やるではないか。
見間違えたぞ楓。
幼少期に人見知りで俺とばかり手を繋いでた楓とは思えん。
凄い進歩じゃないか。
これはまた別のとこで名誉を挽回しないとな。へっ!
と、俺はそう思いたかった。
だが!
だが実際は俺にとって喜ばしい展開にはならなかった。
なぜなら彼女が掴んだのは俺の手だったからだ。
「………」
「………(ゴメン)」
目で謝られた!?
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