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しばらく歩いていると、俺の目の前に巨大な壁が現れた。
多分これがシルフィード王国だろう。
俺が壁に沿って視線を走らせると門のような物が見えた。
「さて、どうやって入るか……」
門の前まで来た俺は、その巨大な門と、その前に佇む門番を眺めた。
「まあ、ここはあれでいいか。それで駄目なら無理矢理入れば良いだけだし」
俺は門に向かって歩く。
「ようこそシルフィード王国へ。今日はどのような御用でしょうか?」
「観光とギルド登録です」
「そうですか。ではどうぞお通り下さい」
自分で言っといてなんだが、こんな簡単に通していいのか?
身分証明とかいらないのか?
まあ、あったら困るけど。
記憶飛ぶくらい殴るのは面倒だしな。
そんな感じで俺は門を潜り、シルフィード王国に足を踏み入れた。
「なかなか良さそうな所だな」
門を潜った先にあったのは、中世ヨーロッパは彷彿させる町並み。
通りを行き交う大勢の人々には活気があり、治安も良さそうだ。
遠くにはここからでもその大きさが伺える巨大な城。
「さて、どうするかな」
さっきはギルド登録って言ったが、実は今のところあまりする気は無い。
盗賊達にやったみたいな事がしずらくなりそうだからな。
とはいえ、それは今のところであってこれから先どうなるかは分からないけどな。
「ま、適当に楽しもうか。クハッ!」
輪廻はこれから起こるであろう事に思いを馳せて短く笑い、雑踏の中に踏み込んでいった。
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