その頃の優貴

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「ところで、ここって何処なの?さっきシルフィード王国って言ってた気がするけど、なんで僕はこんな所に居るの?」 シルフィード王国なんて僕は聞いた事無い。 それに、例えそんな国があったとしても、日本に居たはずの僕がここに居る理由が分からない。 輪廻に蹴らた背中がまだ痛い事からそんなに時間は経ってないはずなんだけどな。 「はい、ここはシルフィード王国の王城にある召喚の間です。近年魔物の活動が活発になりつつあり、近々魔族が戦争を仕掛けてくると予想されます。魔族の力は強大です。このままでは我々は魔族に滅ぼされてしまいます。なので、伝説の勇者様のお力をお借りすべく、我が家に伝わる召喚魔法を使い、勇者様をこの場に御呼びしました」 「ちょっ、ちょっと待って!魔物?魔族?魔法?何の事か全然分からないんだけど」 僕は混乱する頭で必死にイリアの言葉を理解しようとしたけど駄目だった。 こういう時、輪廻が居てくれたら……。 あっ……!輪廻で思い出した。 そういえば昔、 『お前はその内異世界に召喚されるだろうから、その時は一々取り乱すなよ、欝陶しいから』 って、言ってたな……。 もしかしてこれがそれなのかな? 「えっと、多分僕はこの世界とは違う世界から来たと思うんだ。だからこの世界について説明して欲しいんだけど」 「そうなんですか?ちなみに勇者様の世界はどんな世界なんですか?」 「とりあえず、魔法とか魔物とかは無くて、科学が発達してるんだ」 「分かりました。では簡単に説明させて貰います」
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