ある日森の中、熊さんみたいな人に出会った

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目を開けるとそこは深い森の中だった。 「森の中とかテンプレだな」 周りを見回してみるがあるのは、木、木、木だけだ。 「優貴は居ないのか……まあ、城にでも召喚されてるんだろ」 さて、そんな事よりも今の俺の身体能力がどうなっているか調べるか。 こういのは大概身体能力とか上がってるからな。 でも、上がってなかったらすぐ死ぬだろうな。 「これでいいか」 俺は一本の木の前に立ち止まり、拳を振りかぶって三割くらいの力で殴りつけた。 元の世界のままの身体能力で全力で殴ったら痛いだろうし。 だがそんな心配は杞憂だった。 木は殴った所が木っ端みじんに砕け散り、へし折れていた。 「成る程ね~」 だいたい今ので俺の身体能力がどの程度かは理解出来た。 「これだけあれば多分大丈夫だろ」 さて、これからどうするか……。 多分魔法とか魔物とかこの世界にはあるんだろうな。 ふむ……。 俺は顎に手をあて、考え事を始めた。 「とりあえず金と食料だな」 しばらく考えた末、そう結論を出す。 「だが、どうするか……ん?」 再び思考に入ろうとしたが、微かに耳が捉えたあるものによってそれは中断させられた。 「これは……声か?こんな森の中に人が居るのか?」 ……考えていても仕方ないな。 とりあえず行ってみるか。 そう判断した俺は声のする方に向かって歩き出した。
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