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「そいつはテメェがやったのか!」
一番前に居た男がどすの利いた声で叫んだ。
「愚問だな。この状況を見れば分かるだろうに」
「ならテメェをぶっ殺してやる!!」
輪廻の言葉に更に頭に血を昇らせ、前の方に居た三人の男が己の武器を構えて輪廻に襲い掛かった。
「まったく愚かしい奴らだ」
そんな男達に呆れたように肩を竦め、刹那の間にその姿を掻き消した。
「なっ!?」
そして一瞬で男達の目の前に移動し、一番前に居た男の腹に拳を突き刺した。
更にすぐ右に居た男の頭を掴み地面にたたき付ける。
そして残った一人の脇腹に回し蹴りを叩き込んだ。
「つまらんな」
一瞬で三人の男を倒した輪廻は、もっと楽しませてくれよという視線を後方にいる男達に向けた。
「テメェぜってぇぶっ殺してやる!」
「覚悟しろよガキ!」
今にも輪廻に飛び掛からんばかりの勢いで叫ぶ男達だったが、
「落ち着けぇ!!」
というボスの怒声によって冷静さを取り戻した。
「相手は一人だ。囲んで魔法を使え」
そして更に続けたボスの言葉に男達は従い、輪廻を取り囲むように広がった。
だが、輪廻はそんな男達の様子など眼中に無く、ボスがさっき発した魔法という言葉に興味津々だった。
「魔法……やっぱあるのか。クハハ、面白くなってきた。さあ、俺は邪魔しねえぜ。早く魔法を見せてみろ!」
笑い声を上げ、男達が魔法を放とうとしているにも関わらず、全く避けるそぶりなど見せずその場に佇む。
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