デート

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「男が居なくなったぞ」 「ああ、今がチャンスだ」 「行くぞ」 「どこに行くんだ?」 背後から聞こえてきた声に男共は慌てて振り向く。 そして、壁にもたれ掛かって立つ俺の姿にその顔を驚愕に染めた。 「な、なんでお前がここにいる!」 「なんでだっていいだろ。ロリコンストーカーのオッサン」 嘲りを込めて放った俺の言葉に男共は顔を怒りに赤くして反論した。 「誰がロリコンのストーカーだ!俺達はそんなんじゃねぇ!」 「ほう、そうなのか?ウリアは付け回しているからてっきりそうなのかと」 「違う!」 「ということは狙いは俺か?悪いが俺にそっちの趣味はないぞ」 「俺達にもそんな趣味はない!」 あまりにも必死に否定する男共に、俺はつい口から笑いが漏れてしまった。 それで男共は俺にからかわれていることに気づき、顔を怒り一色にして懐からナイフを取り出した。 「あまり大人をナメるなよ!」 「ふっ」 「何が可笑しい!」 「なに、ここまで小物が板についていると、実に滑稽でな。ククッ」 漏れ出る笑いを隠すことなく男共を嘲る。 「ふざけるのも大概にしろよ!」 怒声と共に駆け出す一人の男。 そんな男に、俺はやれやれと肩を竦め、見下すように見る。 「怒りに身を任せて考えなしに突っ込んでくるとは……。実に愚かしいな」 俺は指を一本立て、その指を自分の方にクイッと曲げた。 「なっ!」 驚愕の声をあげたのを突っ込んで来ていた男。 男は突然何かに躓いたかのように倒れた。
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