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「自慢じゃないが、俺はバレンタインに手作りチョコを貰った事は一度も無い!」
閉店作業を皆でしてる時に、鞍馬さんがいきなり叫ぶ
「いいか!お前ら!パティシエに手作りの菓子を送ろうなんて健気な女の子なんて、いると思うな!しかも、俺は学生の頃からパティシエを目指していたから、レシピを教えてくれ、作ってくれって女子には囲まれたが、プレゼントしてくれる女子には恵まれ無かった!」
いきなり何を言い出すの?
手を止めて呆然と鞍馬さんを見る
「自分の作ったチョコを女の子から手渡される屈辱を考えてみろ!」
どうやら、去年のバレンタインにこのお店で買ったチョコをそのまま渡されたらしい
あ。涙目になってる
「しかしだ!今年はなんと我が洋菓子店に女子がいる!しかも独身だ!」
え?ちょっと待って?
「去年も販売のスタッフは女性でしたよね?」
「野郎ども!バレンタインが終わったら、きっとシロちゃんから素敵な手作りバレンタインチョコのお振る舞いがあるはずだ!」
無視された……
って!
「手作りぃ!?」
さっきパティシエに手作りチョコを送る子はいないって言ってたじゃない!
なんて叫びは、野郎どもの歓声にかき消されて確信した
きっと、これ毎年やってる……
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